銭湯へ

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出張のついでに実家に寄る。

 

実家に泊まる際は、銭湯に行くことにしている。

自転車で5分くらいのそこは、少し古いけれど、サウナもスチームバスもあるし、ちいさな露天風呂まである。

近所だし大阪の片田舎なので、ヘンな短パンに古着のTシャツで行ってしまえるのも、うれしい。

 

この日も母親に出してもらった、義父の古いサンダルを借りて、スーパーの袋にタオルと石鹸を入れて自転車で出かけた。

もう少しで着くという頃、急に右足に違和感を感じて、何かと思って足を見たら、サンダルの前半分が取れて無くなっていた。

たまげてしまって思わず自転車を止め、来た道を後ろを振り返ると、取れて無くなったサンダルの前半分がぽつんと落ちていた。

サンダルのウレタン部分が傷んでいたのでしょう・・・茫然としてしまって、「ハイヒールのかかとが折れてしまった女性の気持ちってこんなのかしら」、と思いながらとりあえずそのままで銭湯に到着。

 

ヘンな短パンにヨレヨレのTシャツ、使い回しのスーパーの袋を下げて、前半分の無いサンダルを履いて歩く・・・こういうおじさん、公園とか川沿いの高架下とかで良く見るっけ・・・自分がそんな姿で育った町を歩くなんて、人生何があるか分かりません。

 

帰って母親に話すと「ほんだらサンダル、ほかしてきたん?」と聞かれた。いや、さすがに裸足では歩かないから。