玄関マットを探して
いまうちにある玄関マットは大阪に住んでいた頃アフタヌーンティにて購入したもので、かれこれ10年くらいは使っている。
なのでずいぶんとくたびれてきたのでそろそろ新調しようかと思い立ち、ネット通販サイトや雑貨店を覗いてみたものの特に気に入るものも見つからず、ふとミナペルホネンの通販サイトで見てみたら大変かわいいものを見つけてしまった。
見つけてしまった、というのは、値段がとんでもなく高かったから・・・たかだか玄関マットとはいえ、そこはミナペルホネン。2万とか3万くらいします。
こんな小さな面積になぜそんな金額を・・・と思ってしまうけれど、一度気に入ってしまった為にそこそこデザインが良くて安い玄関マットであっても、べ○メゾンとかではもう妥協出来なくなってしまいました。
気に入ったけれど高くて買う踏ん切りがつかない。じゃあ現物を見てから判断しましょうということで、青山のスパイラルにあるミナペルホネン直営店のCallへ行って来ました。
初めて訪れたそこは、かわいくて上品で、ミナペルホネンの魅力が詰まった素敵な場所でした。
お客たちもきちんとした感じの方々ばかり。間違っても万引きはしなさそうです。
スタッフの方々も優雅に働いていて、バックルームで客の悪口で盛り上がったりしなさそうな感じでした。
そのスタッフの中には高齢なご婦人も含まれていました。シルバー人材派遣からやって来たのでしょうか・・・昔モスバーガーで、たどたどしくレジを打つおばあちゃんを思い出しました。
でもそこはミナペルホネンだからでしょうか、みなさんミナペルホネンの服を着こなし、揃って白髪のボブの知的な感じでした。高級シルバー人材派遣みたいなところがあって、そこから来ているのかもしれません。
「何かお探しですか?」とにこやかに尋ねられたので、「玄関マットを探しているのですが」と答えました。
そうすると、無言でそばにあったタタミ半畳分くらいの大きさのラグを指さし、「これね」と言いました。
文章にすると違和感はないけれど、普段なかなか語尾に「○○ね」という方とお話ししたことが無いので面喰いながらその大きなラグを見ると、うちの小さな玄関には明らかに大きすぎるサイズでした。
玄関マットと言われてこのサイズを勧めるなんて・・・高年金所得者なのでしょうか。そう思うと白髪のボブというのもなんとなく金持ちっぽく見えます。
その方は「ええと値段はね・・・」としゃがんで値段を確認していました。
しゃがんだ時に膝のパキっという、老人特有の乾いた音がしたとき、自分は「どうしよう・・・このラグ買わないといけないかも」と訳もなく思ってしまいましたが、値段が55,000円だったのでさすがに断りました。
他には無いのでしょうか?向こうには違うデザインのものもありましたが、と聞くと「あらそうなの?」と聞かれました。質問に質問で返す・・・恐らくこのお店の在庫は一生分からないだろうと思い、お店を後にしました。「欲しいものが見つからなくて、ごめんなさいね」という世にも上品な言葉を聞きながら・・・。
結局目当ての玄関マットは見られなかったな・・・と思いながらも、念のため後日ミナペルホネンのカスタマーサービスに確認すると、「お探しのものはCallに置いてございます」との答えが。
思わず「あのババア・・・」と思ってしまった下品な自分には、やっぱりベ○メゾンの玄関マットがお似合いです。