国立めぐり

思い立って国立へ。

 

国立は幼少の頃(小学校に上がる前)、1年あまり住んでいた時期があります。

父親の暴力から母親が逃げ、父親育児放棄したので大阪から東京の国立に住む叔父夫婦の家に預けられ、そのまま叔父夫婦の養子にされそうになったところを母親に連れ戻され・・・。

費用が掛かるからか幼稚園に通わせてくれずあまりにも暇なので万引きをしたり、母親が迎えに来ても叔父夫婦が手放そうとしないので留守中を狙って母親が奪い返しに来たり、あまり明るい思い出ではないけれど、それでも都内、しかも中央線沿いに住んでいた貴重な期間で、自分の中では割と自慢できる過去なので「国立?昔住んでたけど田舎だヨ~」とか偉そうに言っています。

 

そんな国立にはたくさんの良いお店があります。

まずは「黄色い鳥器店」へ。

おしゃれ、でも嫌味のないデザインの食器や雑貨が、手ごろな金額で売られています。

長方形の小さな白いお皿を購入しました。お店の方いわく、五十嵐元次という白いひげを生やしたベテラン作家さんのものとのこと。そう聞いて「そのわりにはかわいらしいデザインですよね」と答えましたが、よくよく考えたらなんとなく失礼な答えのような気がします。

 

さらにPepe Shimadaさんのポストカードもいくつか購入。あまりにもかわいい猫のイラストで、すべて買い占めたい気持ちを抑えるのに苦労しました。

この作家さんは台湾在住のミュージシャンで、来週こちらのお店で音楽のイベントを行うとのこと・・・行きたくなります。

でも埼玉から国立に移動するのは時間が掛かってしまうので、躊躇してしまいます・・・もし過去に母親が奪回に失敗し、そのまま養子にされて国立に住み続けていたら、間違いなく行っていると思います。

 

お昼はお店の隣りにある「カフェひよこ豆」で、サーモンフライの定食とビールをいただきました。

こちらのお店の店主に教えてもらい、アンティークショップの「Let’Em in」にも立ち寄りました。

北欧テイストのものから和風のものまで、たくさんのおしゃれ雑貨が陳列されています。

以前はこういうお店のおしゃれ雑貨は高いと感じていましたが、最近は東京蚤の市に行きすぎて感覚がマヒしてしまったのか、「もし東京蚤の市で売られていたらもっと高いはず・・・」と思ってしまい、財布の口が緩んでしまいます。

 

その後「カゴアミドリ」という、かご製品を扱うお店へ。

以前に南千住で購入した草篭のバッグをさげていたので、もしかすると店主に「そのバッグ、いいですね」と言われるかも・・・と夢想しながら入店しました。

そんな会話は一切ありませんでしたが、扱われている品はすべて品が良く、すてきなお店でした。

 

偶然というかなんというか、このお店の隣りには、なかしましほさんの「フードムード」がありました。

一度訪れてみたい、と思っていたこのお店、まったく調べていなかったのに、「カゴアミドリ」目的で来たのに見つけられたので、感無量でした・・・休業日でしたが。

 

夕方ごろ国立を離れ、新宿のオイスターバーや日本酒バーに立ち寄り、新宿ゴールデン街へ。会田誠さんを見かける。

「夜行飛行」という昭和歌謡ファンが集まるお店でウィスキーの水割りを飲みながら、お客さんたちと楽しく会話。

以前にあべ静江が埼玉のスーパー銭湯へ営業に来た時の写真を店主に見せると、「デビューしたての頃は本当にかわいかった」と当時の映像を流してくれました。

それは「ミュージックフェア300回記念」の映像で、昭和50年代の頃でしょうか、若かりし頃のあべ静江の美しい姿が映っていました。

20歳そこらのいたいけな少女が、やがて仔猫を壁にぶつけると噂されたり、埼玉のスーパー銭湯でラーメンを食べるファンの前で歌ったりするなんて、人生なにがあるか分かりません。

 

この番組は放送300回記念ということで、どこかの大きなプールを会場にし、生放送で行われていた様子。

オープニングでは祭ばやしで踊りながらダンサーが登場するという演出がされていましたが、男性の声による掛け声のようなものにまじって「(女性器)!!」という放送禁止用語を叫ぶ声が聞き取れました。

祭ばやしにかさなるように聞こえる「(女性器)!!」はものすごくシュールで、店主もお気に入りらしく何度もリピートする為、酔っていたのもあり大爆笑しました。東京の片隅にある小さなバーの、楽しい大人の思い出です。