全裸
ジム友たちと飲み会。
前回の旅行の精算も兼ねて、南浦和の「彩蔵」にて。
ジム友のひとりであるMさんは埼玉では有名な某病院にお勤めの、すらりとした美人。
とても上品だけれど、お店のサービスでキレたりする強さも持ち合わせています。
そんなMさんがスターダストレビューの35周年のライブに行ったそう。
豪華ゲストも出演していて、小田和正や森高千里、渡辺美里まで登場し、すばらしいステージだったとのこと。
しかも席が2列目でとても興奮したそうです。確かに小田和正に目の前で「ラブストーリーは突然に」を歌られたら興奮・・・しないかな、自分は。
さらに蓮見にある清龍酒蔵の見学ツアーにも行ったそうです。
ここの酒蔵見学ツアーは、ツアーそのものよりその後の試飲会がとても有名とのこと。
試飲会とは言っても飲み放題なので、参加者はどんどん飲んでしまいどんどん酔っ払って行き、最後は大宴会のような盛り上がりになるそう。
歌あり演奏あり、それに合わせてみんなでペンライトを持って踊り歌い・・・感極まって泣き出す人もいたとのこと。
ちょっと行ってみたいです。
ただMさんはその話の合間に小田和正の話も挟んでくるので、ペンライトのくだりが清龍酒蔵のことなのか小田和正のことなのか、判断するのが難しかったです。
清龍酒蔵に負けないくらい、この日も飲み放題だったのでたらふく飲みました。
ものすごく酔っ払ってしまい、どうにか家に帰ったのだけれど、翌朝ベッドにすっぽんぽんの状態で目が覚めました。
どうやって帰って来たのか、なぜ全裸で寝ていたのか全く覚えておらず、ベッドの周りを見ても脱いだ服は落ちておらず。
・・・もしかして、帰り道の途中で着ていた服を脱ぎだし、家に到着する頃には完全な裸状態だったのでは。
そんな恐ろしい予感がしたので、急いで洗濯機の中を見ると、昨晩着ていた服が入っていたので安堵しました。
もう買えない星野源のライブTシャツを着ていたので、失くすと悲しかったんです。
大好きなaikoのこと
昔、研ナオコに憧れてビー玉を鼻に突っ込んで取れなくなった子供がいたという話を聞きました・・・aikoのことでしょうか。
アメリカの大学から戻った頃、ちょうどaikoの「ボーイフレンド」が流行っていて、その頃からファンでCDも集めていました。
断捨離で他のCDは売却しても、aikoのCDはまだ残しています。これはaikoがそれだけ好きなのと、星野源が大人気になる前にCDをタダ同然で売却してしまったショックによるものです。
そんなaikoのライブチケットを購入しました。
彼女のライブはおととしの年末、横浜アリーナで行ったのが初めて。
グッズを購入する為すこし早めに到着したら、すでにうん百人の列が出来ていて、結局購入出来なかったという辛い思い出のあるライブでした。
ネットで調べてみると、aikoのグッズ購入の列は長時間並ぶのが常らしく、熱心なファンは朝から並んでいるそう。
しかもあの日、aikoの要望により購入者ひとりひとりにくじ引きを用意していたとのことで、それがさらに混雑を生んでいたそうです。
ファンを大事にする、aikoからのプレゼントなのでしょう・・・でも年末の寒空の下、3時間並んでライブ開始時間になってしまい購入出来なかった自分としては思わず「ババア余計なことするな」と思ってしまいました。
Aikoと自分は年齢が同じなので、つい(親しみを込めて)ババアと呼んでしまいます。でも年下の友人に「aikoはババアじゃなくない?」と聞かれた時にそのことを伝えると「え?しょうちゃんと同じ?・・・・そんなにいってるの?」と驚かれたことがあり、思わずギャフンと言いそうになりました。
今回のライブは、前回と違いZepp Tokyoでのオールスタンディング。
ネットの情報によると、たくさんの熱狂的なファンにより揉みくちゃにされるとのこと。
自分はライブで揉みくちゃにされたのは、ボアダムスとコンクリートオクトパスとハンバートハンバートしかないので(ハンバートはクールワイズマンが来ていたせい)、あまり経験が無くとても不安。
さらに、揉みくちゃにされなくても目の前に立つお譲さんが気分が悪くなって嘔吐する、というのに2度も遭遇したことがあるので、それも若干不安です。
少しでも不安を和らげるよう、ライブDVDを観ていたら、あっちゃんに「しょうちゃんはaikoを容姿も含めて好きなの?」と聞かれました。たぶんちょっとaikoを小馬鹿にしているんだと思いました。
蓼科へ
あっちゃんのお友達にご招待いただき、蓼科のリゾートホテルに遊びに行く。
以前出版した本のお祝いとのこと・・・お連れの方も一緒にと、厚かましくもありがたく、参加させていただきました。
観光としては初めて訪れる長野。あずさで行こうと思いチケットを予約したら、「えきねっと」を利用すれば35%オフで購入できると知る。
しかし時すでに遅く、行きの列車は既に予約が一杯で、通常の金額でしか予約できませんでした。
でも帰りの列車は割引がきいたので、往復で考えると通常より安くなりました・・・でももっと早くに予約していれば往復とも安くなっていたのに・・・それとも自由席にしていれば・・・だったらいっそのこと高速バスという手も・・・と、けち臭くそして明らかに無駄な思考に陥りました。
あずさに乗り、お友達とそのご家族が待つ茅野駅へ。まずは山に連れて行ってくれるそう。
バーベキューをしたり、山菜を採ったりするそうです。
山ではお友達の家族がお願いしているというガイドさんに、いろいろ山のことを教えていただきました(教えていただいた内容は忘れました)。
このガイドさん、もちろん仕事だからだろうけれど、とても親切で優しく、そして背が高くてすばらしく男前・・・気になったのでお友達にいろいろ聞いてみると、どうやら数年前に奥様を亡くしたばかりとのことでした。
そんな辛い過去を持ちながら、あんなに明るくガイドしてくださるなんて・・・そう思いながらも、そういえば昔、奥さんを亡くした男3人がレストランを開く「やもめ食堂」という小説を書こうかと思ったことを思い出していました。不謹慎だし、自分でも意味が分かりません。
そんなガイドさんの車で山の上に移動し、山菜を摘むことに。
しかし自分は山菜の知識はゼロだったので、どれが山菜でどれが雑草なのか全く分からず、仕方がないので山菜を摘むフリをしながら草むらをウロウロ徘徊していました。
山菜を摘んだあと(フリをしたあと)、みんなでお昼を食べることに。
お昼のことは事前に詳しく聞いていなかったので、「もし食べるものが山菜のみだったらどうしよう?山菜をさっと湯がいてポン酢で食べるだけとかだったら・・・」と危惧していたのだけれど、肉やらおにぎりやらお酒やら、食べきれないくらいに用意してくださいました。でも山菜はやっぱり湯がいてポン酢で食べました(おいしかった)。
いよいよ山を降りる際、ガイドさんが「川に入って岩を登ってみましょう」と提案してきました。
ガイドさんが指さす方には、決して高くは無いけれど、急だし、足が滑ったら確実にケガをしそうな崖がありました。
でも「せっかくだから」という理由と、あと少なからず酔っ払っていたせいで、あっちゃんが止めるのも聞かず靴のままじゃぶじゃぶと川に入りました。
しかし思った以上に水温が低く、足がちぎれそうに冷たくて痛く、すぐに後悔してしまいました。
そういえば、子供の頃に2度、川で溺れたことがあります。
その時のどちらも、近くにいた見ず知らずの方が助けてくださり、親は酔っ払って寝ていました。
その親というのは自分が養子に出されていた頃の育ての親だったので、「ああやっぱり所詮生みの親じゃないから・・・」と思ってしまいましたが、どう考えても1度ならず2度も溺れるなんて自分が根本的にバカなだけでした。それから水が怖くなり、いまだに泳ぎが苦手です。
そんなことがありながらも数年前、友人の誘いで群馬でキャニオニングに参加したことがありました。
ライフジャケットを着け、滝壺に飛び込んだり、川の流れに身を委ねたり・・・水は素晴らしく透き通っていて、天気も最高だったのに、水は冷たく、高いところから飛び込むのも怖く、自分は寒さに震えながら「なんでこんなつらい事を高い金払ってまでやっているんだろう?」と絶望的な気持ちになっていました(案の定、翌年から友達の誘いはありませんでした)。
やっぱり自分は川に入るべきではない・・・去年は酔っ払って川に飛び込んでiPhone壊したし。
そう思いながらもがんばって岩を登ると、それは何とも言えぬ爽快感と達成感がありました。
ガイドさんにも「バランス良く登れている、体幹がしっかりしている」と褒められたし・・・ありがとうございました。さっきは「やもめ食堂」とか思い出してしまい、すいません。
山を降りてホテルにチェックインし、温泉に入ったり、採ってきた山菜を囲んでお友達家族と一緒にお酒を飲んだり、とても楽しく過ごす。
そういえば、そのお友達からもご家族からも、自分のことやあっちゃんとの関係のことについて全く聞かれませんでした。
別に聞かれたら話すので問題は無いのだけれど、それはご家族たちが興味が無いのではなく詮索をしないという品の良さの表れなのでしょう・・・自分もかっこいいガイドさんのことを詮索したり、やもめ食堂のことを思い出したりしない品の良さが欲しいです。
翌日は地元スーパーに寄ったり、お土産屋でお酒を買ったりして、早めに列車で帰る。
列車に乗る前に駅の立ち食いそばで、鹿肉そばを食べました。臭みも無く、濃い肉の味がしておいしかったです。
自分たちの後ろで待っていたおばさんは、そばが茹で上がるのが待てず、「列車に間に合わないのでもう食べません」と言い放ち食券を置いたまま改札にダッシュしていきました。
そんな時間ギリギリでも食べたいおそばだったんでしょうか・・・お店の方に「もし捨てるんだったら、私食べましょうか?」と言いそうになりました。
中野にて
友人のSちゃんにずいぶんと長く借りていた、こだま著「塩で揉む」を返すため、中野で待ち合わせる。
今回、初めて訪れる中野。まずは「第二力酒蔵」へ。
14時から営業している有名なそこは、海鮮がおいしい居酒屋。天ぷらや牡蠣を日本酒でいただきました。
楽しく呑んでいると、Sちゃんの背後に玉袋筋太郎さんを見かけました。しかし芸能人を見るとすぐにテンションが上がってしまう自分は間違えて「筋袋金太郎の人がいたよ!」と伝えてしまいました。
Sちゃんに「それたぶん玉袋筋太郎だし、『のひと』と言うんなら『浅草キッドのひと』ですね」と冷静に修正していただきました。
そして以前から行ってみたかった、中野ブロードウェイへ。
古本屋ばかりたくさんあるイメージだったのだけれど、意外にも貴金属店や高級腕時計店などもひしめき合っていました。
こんなところでこんな高いもの、誰が買うんだろう・・・と思ってしまったのは、そこがタイのマーブンクロンセンターに良く似ていたから。
マーブンクロンセンターは古い建物に低い天井というのが中野ブロードウェイのそれによく似ていました。マーブンクロンセンターには貴金属品ではなく偽ブランド品を売るお店がひしめき合っていて、自分はそこでBose風のワイヤレスヘッドフォンを購入したことがあります。三か月くらいで壊れてしまいましたが・・・ちなみに壊れたのは電子部分ではなく、プラスチックのアーム部分がぱきっと折れたのでした。そこかよ。
さらにレイバン風のサングラスを購入したこともあります。最近ツイッターのアカウントを偽レイバンに乗っ取られることがありましたが、これが原因かもしれません。
あらゆる意味で、偽物には気を付けた方がいいと思いました。
ユニークな本を扱う書店「タコシェ」で「大人ごはん」を購入。食をテーマに書かれた雑誌。ページ数は少ないけれど、そこに濃い内容がぎゅっと詰まっていて、とても面白かったです。
ワインバーにも立ち寄り、Sちゃんが通うという新井薬師にあるバーにも連れて行っていただきました。アットホームで、大変居心地の良いお店でした。また行きたい。
そんなSちゃんのお宅に一度遊びに行ったことがあります。とても広くて、インテリアもおしゃれだったのだけれど、押入れから謎の異臭がしたのが印象的でした。
引越し当初から押入れが匂う、と本人から聞かされていたけれど、きっと面白おかしく誇張しているんだろうな・・・と思っていたら本当に臭かったのを覚えています。
部屋にウンコでも落ちているのかも・・・と疑ってしまったのは、過去に本当にウンコが落ちている部屋に住んでいる友人がいたからです。
その友人は女性で、狭い部屋に一匹の犬とたくさんの物に囲まれて住んでいました。とにかく物が多く、それらはファンシーなぬいぐるみやアメリカのおもちゃ、アクセサリーといったいわゆる「がらくた」。
そんな友人がある日引っ越すというので荷造りを手伝いに行きました。
散乱していたがらくたを「すべて持って行く」と言う彼女。荷造りは果てしなく続くように思え、頑張って手当たり次第に段ボールに詰めていました。
すると、本棚の隙間に髪を留めるアクセサリーと、カラッカラに乾いたウンコを見つけました。
なぜ本棚の隙間にウンコが・・・犬のだったらまだしも、友人本人のものだったら・・・?
そう思うと怖くて、髪留めと一緒に段ボールに放り込みました。
よく「うちの部屋、汚くてさ~」と言う方がいるけれど、自分はその時に「それは散らかっている汚さ?ウンコが落ちている汚さ?」と聞くようにしています。冗談でも笑いを求めているのでもなく、ただ本当にウンコが落ちている部屋に住む友人がいたからです。
そんなウンコの部屋に住んでいた友人は、今頃どうしているのでしょうか・・・いつのまにか連絡が来なくなってしまいました。
段ボールに入ったウンコを見つけて怒っているのかもしれません。
吉祥寺
久しぶりに吉祥寺へ。
まずは大好きなパン屋「ダンディゾン」へ。
大阪から関東に移り住んですぐの頃、このパン屋を探すために長時間ウロウロしたのを思い出します。
このお店、駅から少し離れた通りの道をさらに脇道に入り、そこにある建物の地下に位置します。そんなとても分かりにくい場所にあるくせに、看板はものすごく小さく、その唯一の目印も植物に隠れてほぼ見えなくなっている為、初めて行くにはたどり着くのが大変なお店です。客にケンカを売っているのでは?と疑ってしまうほどに。
京都には「一見さんお断り」という、京都人の底意地の悪さを表したようなシステムがあります。
しかしこれは、京都の少し特殊なお店のシステムを理解していない客が来店すると、かえって客に迷惑をかけてしまう、というお店の気配りという話があります(京都人が底意地が悪いことは本当かもしれませんが)。
ダンディゾンに至っても、このシステムを踏襲しての看板構えなのかもしれません・・・確かに、店内では「自分でパンを取ってはならない」ということを真っ先に教えられます。
おいしいパンを買い、今度は「36」という文房具店へ。
古いビルにあるそこは、古いコンクリートの階段を上がり、やっぱり古い木枠と硝子で出来た扉のある、とても趣のある店構え。
ここに来ると、神戸にあった雑貨店を思い出します。
同じように古いビルに古い階段、年期の入った扉のそこには、なぜか入口に「焼肉を食べた方は入店しないでください」という謎の注意書きがありました。
神戸の方は大阪と違う気品と言うかお高く止まっている方が多いイメージがあるので(偏見)、匂いが気になるのかも、と思いました。
でもそこは別に鶴橋や大久保のような焼肉店が乱立している訳ではなく、近くにも焼肉店はありません。
・・・もしかしたら、単に若干頭のおかしい店主なだけかも?
心配しながらも入店すると、そこはとても趣味のいい雑貨が、上品な女性店主により並べられていました。
でももしそれが「過去に焼肉を食べた人も含めてのお断り」だったら?
この女性が豹変して「お前、肉喰っただろう?」と怒りだしたらどうしよう・・・心配になり、結局何も買わずに退店しました。
もちろん「36」にはそんな気のふれたような注意書きは無いので、ゆっくりと買い物を楽しみました。
力士デザインのワッペンと、フランスのボールペンを購入。
ルミネのマークス&ウェブでレモングラスの石鹸を購入、そしてローズベーカリーで念願のキャロットケーキも買いました。
そして高円寺へ移動。この日は友達の誕生日のお祝いでした。
今年32歳になる友達。ほかに集まった友達も30代なので、きっと恋やおしゃれの話が弾むはず・・・と思っていたら、話題は「親の介護」に。
恐らく自分がその時、西原理恵子の「熟年恋愛のススメ」を読み終えたばかりで、自分からそっちの方向に話題を持っていったのだと思います・・・若者と会う際には、読む本のセレクトも考えたほうがいいかもしれません。
この日あった友達のひとりは、中野の好条件な場所に立つ古いマンションを購入し、おしゃれにリノベーションをして住んでいる。
最近そこのドアを、スマホで開錠できるようにしたらしい。
鍵が鞄やポケットからすぐに出ない状態では、とても便利だと思うけれど、セキュリティ的には問題無いのでしょうか。
最近、ミーレの食洗機がネットワーク上で操作可能で、そのシステムに脆弱性が見つかり、第三者に操作される危険性が指摘されている、というニュースを聞きました。
もし、知らない誰かに自分の皿を勝手に洗われてしまったら・・・?
そう友達に言うと、「たぶん施錠システムは問題無いと思うけど、食洗機の皿のは勝手に洗われてもそんなに問題ではない」との答えでした。もっともだと思います。
ちんぽ会
連休の日曜日。あっちゃんのお友達ご夫妻が遊びに来られたので、自宅で昼飲みをすることに。
以前にもお会いしたことがあるこのご夫妻、奥さんはテレビ番組のディレクター、旦那さんはラジオの構成作家という、一聞すると派手そうな職業なのだけれど、お二人ともとても落ち着いて慎ましいカップル。
奥さんが担当している番組は、名前は伏せるけれどとても有名な朝の情報番組。以前に「司会者はやっぱりヅラなのか?」と聞いても、守秘義務を守っていました。プロです。
自分は監督と言えば蜷川幸雄と相米慎二を思い出すので、何となく怖いイメージがあります。
なのであの番組でも司会者は「余計なことしゃべんなよヅラ!」とか「もっとテンション上げて喋れよハゲ!」とか罵倒されているのでは、と思っていたのですが、奥さんを見ていたらそんなことが無いと分かり、長年の偏見が無くなりました。
旦那さんの担当しているラジオ番組には、一度あっちゃんが出演したことがあるらしい。
でも内緒にされていたせいで聴くことが出来ず、旦那さんのお仕事ぶりはあまり分かりません。「じゃりん子チエ」が好きということだけは分かりました。
この日、夜にも飲み会を控えていた自分は、かなり酒量を抑えました。
そんなことがなかなかない為、自分が酔っていないのに、目の前の人(旦那さん)が酔っ払っていくのを、少し新鮮な気持ちで見ていました。
そういえば昔、義兄がハッパを吸っているところに遭遇した時も、こんな気持ちだったような気がします。
夕方になり、自分は友人たちを招くために家に残り、あっちゃんとご夫妻は近所の居酒屋に移動しました。
あとで聞いた話では、奥さんが酔っ払いのおっさんにモテモテで、店を去る際に「これあげるから持って行って!」と「だしの素」を手渡されたそう。
そのおっさんがなぜ「だしの素」を携帯していたのかは知らないけれど、きちんと受け取った奥さんの優しさに胸を打たれました。
友人たちが集まり、「ちんぽ会」を開催。
これは、こだま著「夫のちんぽが入らない」について語りながら飲むという会。
話自体の面白さに加え、弱い自分を認めながらも出版を決意する著者の強さ、同人誌(「夫の~」は、もともと同人誌をベースに書かれた私小説)との相違など、マニアックな話題が上がりました。
自分は「アマゾンレビューの批判に対する批判」について語りました。
批判の内容は「読んでも解決しなかった(ちんぽが入らなかった)、病院に行けと突っ込みたくなった」というのがほとんど。
これらは、たぶん本を読んでいない、普段読書をしない、私小説を文芸として認めていないような人が思いつく批判ではないのかな、と思います。
もしこの作品が、若い男女が努力してセックスを成し遂げ、ジブリ映画のように明るくつじあやのの主題歌で終わるような内容だったら・・・そっちの方がヤバい気がします。
「困難には正しく立ち向かうべき」というのはポジティブで良いとは思うけれど、それと私小説は別の話。
真面目に働き、風俗にも行かず、女も殴らない西村賢太の作品なんて、いったい誰が喜ぶのでしょうか。
そんなことをたくさん語り、ついでに「クウネルの辛辣なアマゾンレビューのおもしろさ」も話しながら、楽しく夜は更けました。
たくさんのお客さんが来た一日。
また遊びに来て欲しい・・・と思いながらも、ダイニングの椅子のことが気になってしまいます。
IKEAで買った安物のそれは、ボルトを何度締めてもギシギシと音がし、背もたれがバキッと折れてしまいそうなので、お客さんに座っていただくのは心配です。
でもその反面、その瞬間をちょっと見てみたい気もしてしまうので、買い換えるのはもう少し先でいいかな、とも思ってしまいます。
ついていない一日のこと
映画の日なので、会社帰り、荻上直子の新作「彼らが本気で編むときは、」を観に行く。
この日は大変ついていない一日だった。
まず朝一番に横浜でお客さんとの待ち合わせをすっかりと忘れていて、電話で平謝りし、急いで横浜へ移動。
お客さんに申し訳ないのと、本当にすっかりと忘れていた自分に対してのショックとで、ひどく落ち込む。
仕事で職場の人間とぶつかる。言いたいことは言ったが、それが「言うべきことだったのかどうか」でくよくよと悩む。
職場の方々には気をつかわれるも、卑屈な気持ちになってしまってどんどん嫌な気持ちになり、暗く悲しい気持ちでいっぱいだった。
さらに追い打ちをかける出来事が。
この日は寒かったのでズボンの腰の部分に使い捨てカイロを挟んでいて、それが電車の座席を立ったタイミングでずれてお尻の方に移動してしまった。
このままではズボンの中を通って、裾から出てしまう・・・そんな恐怖におののきながら、お尻を押さえながら改札へ向かいました。
しかし改札を出るにはスイカをタッチする必要があり、一旦手を離さないといけない。
きっと一瞬なら大丈夫・・・そう思って手を放した瞬間、カイロがするっとズボンを通り抜け、裾から抜け出て床に落ちました。
もし自分がアキラ100%くらいの瞬発力があれば、尻から移動するカイロをさっと止めることが出来たのに・・・。
見知らぬ男のズボンの裾からカイロが出て行く瞬間を、後ろの人は見たのだろうか?・・・そう思うと怖くて振り向くことが出来ませんでした。
そして改札を出ると雨。天気予報を確認していなかった為、傘を持っておらず。
そんなついてない一日に観たこの映画。
「彼らが本気で編むときは、」には、トランスジェンダーに対する世間の偏見と差別、育児放棄などの社会問題がまっすぐに描かれていました。
日常ではあまり遭遇することが無いような、ちょっと変わった人々の交流を、善と悪を明確にしながら描き(明確すぎて悪を演じる役者がちょっと気の毒になるくらい)、いろいろな心の闇を映す。
それらは寓話的ではあるのだけれど、そういう設定を取り払ってしまうと、「ただの家族の物語」を描いていることが分かる。
この映画は、そこがとてもいい。
前作の「トイレット」でもやっぱりそこは同じで、場所は外国だし登場人物はみんな一癖あって一緒に住みたくない感じで、自分とは全く接点の無い環境の話かと思って観ていたら、普遍的な人と人との繋がり、疑似家族のようなぬくもりに涙してしまった。
血縁なんて疎ましいもの以外なにものでもないと思っている自分にとっては、こういういびつな関係にこそ真実味を感じてしまう。「彼らが本気で編むときは、」も、そんなぬくもりのある映画でした。
ついてない日だったけど、この映画を観れたことは、とてもついていたのかもしれない。
そう思い、帰る途中彼らのように瓶入りのビールを買い、ビールを発明した人に感謝しながら飲みました。